壱岐友輔監督(中央 / 写真=ベガルタ仙台ユース提供)

 昨年度は高円宮杯U-18サッカーリーグプレミアリーグプレーオフ決定戦でサガン鳥栖U-18に敗れあと一歩のところで高校年代最高峰のリーグ、プレミアリーグへの昇格を逃したべガルダ仙台ユース。過去にはU-14・15カンボジア代表監督兼U-14・15カンボジアフットボールアカデミー監督の経験を持つ同ユースでヘッドオブコーチング兼ベガルタ仙台ユース監督を務める壱岐友輔氏にお話を伺った。

――壱岐監督は2000年のベガルタ仙台ではユースコーチで指導をスタートし、2018年2月にヘッドオブコーチング兼ユース監督に就任されました。ベガルタ仙台では一貫指導体制を謳われていますが、どういった指導になりますか?また、選手への指導で大切にしていることは何ですか?

 プレースタイルとしては「堅守賢攻」をベースに、走力・球際・切り替えでどのチームよりも勝り、インテンシティーの高い躍動感あるフットボールを目指し、どのカテゴリーでも実践できるよう日々のトレーニングで落とし込んでいます。このフットボールを実践するうえで絶対的に必要なことは、「個に特化した指導」で、全ての選手にIDP(Individual Development Plan)を作成し、年数回の面談を行い、自分の強みと弱みをコーチングスタッフと共有しトレーニングで伸ばすこと、改善することを実践しています。そして、コーチングスタッフ間で、常に他カテゴリーの選手やトレーニングを把握できるよう、ソフトウエアPSD(Pro Soccer Date)の活用や、スタッフ全員が見やすい場所にアカデミー全ての選手が、どのカテゴリーに属し、トレーニングしているかをホワイトボードに掲載し、垣根のない一貫指導体制のもと、将来「どこでも通用する人・選手」を育成することを目標にコーチングスタッフが指導に当たっています。

※ヘッドオブコーチングとは?
現在、名称があまり浸透していませんが、端的に言うとコーチをコーチする立場、いわゆる「フットボール部門の責任者」を意味します。Jリーグは、ワールドクラスの選手を輩出することを目的に育成重点施策として「PROJECT DNA」を発表し、その重点戦略の一つとして、ヘッドオブコーチングの養成を掲げ、一貫指導体制のもと、戦略的に且つ、意図的に選手を育成することを考え、昨年よりスタートしました。現在は、元日本代表森岡隆三氏をはじめ、育成部門のアカデミーを代表するエキスパートの皆さんと2年間でモジュール1~5までの養成講習会を受講しています。

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