明秀日立の萬場努監督

 近年、激戦茨城において一目置かれる存在となっている明秀学園日立。同校で20代前半から指揮を執る萬場努監督のインタビュー【前編】に続き、【後編】では監督が目指すサッカー、目指すチーム作りについてなどについて伺った。

――萬場監督の描くチーム作りとは。

 新人戦では組織より個の強化を図るイメージで、関東大会以降は徐々に組織を意識したチームに仕上げていくというプランでチーム作りをしていきました。私はチーム作りを行う上で3本柱というものを大切にします。「大黒柱=ディフェンスリーダー」、「司令塔」「エース=点取り屋」です。昨シーズンもインターハイ以降、自分達で思い描くスタイルの形は徐々に作られている実感はありましたが、「エース」が定まらないという課題が最後まで残ってしまいました。そこで今まで採用してこなかった3FW(トップ)でゴールを奪えるポジションに人を多く配置することを試みました。これが功を奏した形となり、「しっかり守る」「ボールを保持」「得点」が結びつき選手権予選を勝ち抜くことができました。残念ながらその他の大会では良い成績は残せませんでしたが、自分達の「らしさ」は選手権で発揮できたことは良かったと思っています。

――今シーズンのチーム目標を教えてください。

 今シーズンは全国選手権に出場した選手達が多く残り、「経験」はあると感じていますが、全国大会でも「やりたいことができる」チームになるためには選手一人ひとりが「強い個」や「タレント」といわれる選手に成長しなければならないと感じています。「日本一」を本気で目指すために、今シーズンは「強い組織力」と「個」の育成に力を入れていきたいと思います。

――監督が目指すサッカー、目指すチーム作りについて。

 私が目指しているのは「やりたいことができる」選手と集団です。
 現在、本校サッカー部と言えば「フィジカル」という印象を持っている方も多いと思います。それを否定するつもりは一切ありませんが、本校では「フィジカル」という言葉を、身体的接触や運動量,走力,ファイティングスピリットと捉えています。筋力トレーニングも「体を大きくする」という目的というより「自分自身の体を自由に動かす」という視点です。本校でも最初は抵抗感を持つ選手も居りますが、筋力の向上を実感し、その影響で競技力向上を体感した選手達は必要不可欠だと考えるため、管理から支援という形に指導が変化するように感じています。
 嬉しいことに、連続して全国大会に出場できるようになったことで、県内外から入学を希望してくれる選手の質は年々高くなっています。こういったベースに「個人の特長」を活かすことを織り交ぜ「やりたいことができる」チーム作りをしていきたいです。
 一方で、試合に取り組むにあたっては、「勝負にこだわる」「絶対にあきらめない」という姿勢はユニホームを着て試合をする上では絶対にこだわりたいと思います。

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