(写真=森田将義)

 日本代表のFW鎌田大地(ドイツ・フランクフルト)を筆頭にコンスタントにJリーガーを輩出するのが京都の東山高校だ。鎌田が在籍した2014年には、高校年代最高峰のプレミアリーグにも在籍し、一昨年のインターハイでは3位にもなった。関西の注目校はどんなスタイルを標榜し、育成方針を掲げるのか。京都サンガF.C.でもプレーした福重良一監督に話を聞いた。

ーー東山高校の育成方針を教えてください。

 全員が同じ金太郎飴のような選手を育てるのは好きではありません。足が速かったり、身体が強かったり、選手が持っている良さは出来るだけ削りたくないと指導者になってからずっと考えています。中学時代に府のトレセンに入っていた選手や代表クラスの選手ではなくても、必ず何か良いモノは持っています。彼らの良さを伸ばしながら、チームを作り上げていくのが理想で、在籍する選手の特徴によって毎年スタイルは変わります。ポゼッション重視や縦に速い攻撃など普遍的なスタイルは特にないため、練習参加してくれた中学生に「東山ってどんなチームですか?」と尋ねられると困りますね。

ーーこれまで多くのJリーガーになる選手を見られていますが、どんな特徴を持っていますか?。

 プロに行く選手は特徴を持った選手ばかりです。岡佳樹(AC長野パルセイロ)も中学時代はあまり試合に出ていない選手でしたが、シュートセンスを持っていました。鎌田も他の選手が見ていない場所にパスを出せる選手でしたが、大阪の高校とは競合しませんでした。周囲の評判だけで選手に声を掛けません。自分が良いと思った選手は、より光らせてあげたいと思うのです。中学の指導者に「彼はトレセンにも入っていませんが、良いのですか?」と驚かれたりもします。初芝橋本高校時代も辻尾真二(元ツエーゲン金沢)を筆頭に、トレセンに選ばれない選手ばかりでした。

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