喜び合う創成館の選手たち(写真提供=創成館サッカー部)

ーー恩師である鹿児島実の故・松澤隆司先生をはじめ多くの方がいらっしゃると思いますが、指導者として尊敬されている方はいらっしゃいますか?

 やはり母校の松澤先生ですね。練習ではよく「8対8」というのをやりました。プレッシングゲームという形で、サイドに追い込んだら2人で挟み込んで、ボールを奪ってから攻めるという練習をめちゃめちゃやっていました。この8対8はハーフコートでやるんですけれども、プレスをかけるチームは2タッチ以内で、ボールを奪ったら攻めてそのままゴールに持っていく。プレスを受けている方は何タッチしてもOKなんですけれども、相手が来たら極力奪われないようにするというもので。

 プレスに行く方は、どんどん行かなければいけなくて、何もさせずにもうサイドに行った2人で挟み込むこと。これを徹底させられたんですけれども、その徹底ぶりが凄かったです。これは今でも参考にしています。現代サッカーではサイドに2人で囲むって、結構厳しいんです。でもあの時代はサイドに2人行って絶対に奪い切るんです。もう徹底ですね。

 あとは島原商や国見、長崎総科大附などを率いられた故・小嶺忠敏先生。V・ファーレン長崎時代に、少しだけ練習をしていただいた時があったんですけれども、キックオフの練習で1時間半くらいやったんです。「サイドに蹴った時には誰が競った方がいいのか」とか「こぼれ球をどうやって拾ってシュートまで持っていくか」とかを徹底的にやって。指導者を目指していたこともあって、その小嶺先生の徹底ぶりは参考になりましたね。「これだけ徹底していたから国見は強くなったんだ」と思いました。

 それと私が高校2年の時に横浜F・マリノスから鹿児島実のコーチに来られた安達亮さんの指導も印象に残っています。安達さんはカターレ富山の監督も歴任された方なんですけれども、指導はオンとオフがしっかりされていて、すごく参考にさせていただきました。創成館にもちょこちょこ来ていただいていて、指導法を教えていただいたり。指導の「立ち位置」などは今でも意識してやっています。

 次回#2では創成館が目指しているサッカーなどについての話を紹介する。