ーー創成館の練習メニューで中心としてやっているものなどはありますでしょうか?

 まず1つは、学校の職員としてパーソナルトレーナーの方がいて、週1、週2くらいでトレーナーが管理をしている筋力トレーニングが入ります。なので、まず体作りをしっかりやっているというところと、あとは時期によって、たとえば今は新チームになりたてなので、体を作る「1対1」など対人系の練習を増やしたりしますね。

 それと、練習とはちょっと違うんですけれども、夏休みくらいまではチーム内である程度「ケンカ」をさせます。ケンカというとちょっと言葉はアレなんですけれども、「意見の言い合い」ですね。最近は自分の意見をしっかりと伝えない子供たちが多くなっているのを感じていて。思っていることをちゃんと本音で吐き出せるようになって欲しい、本音でぶつかり合えるようになってチーム力を上げていきたいという狙いからやっているものです。

創成館サッカー部トレーニング風景(写真提供=創成館サッカー部)

 例えば誰もが認める実力を持った選手がいます。そんな選手でも間違ったプレーをする時はある。でも「あいつは上手いし」ということで他の選手は何も言わない。何も言えない。本当はそれがいちばん良くなくて。

 こちらとしてのやりたい方向性はブレないようにして、そこに近づくためにも、お互い本気の言い合いをさせる。その時期はチームの雰囲気は最低で、まとまりもなくて弱いんですけれども、そこから相乗効果が生まれる形で、チーム力も上がっていくんです。だから本当の意味でがっちりと固まった「チーム」になってくるのは10月くらいですね。

ーーそんな中で選手権出場を目指した昨年の選手権予選でしたが、県の決勝では立ち上がりに失点するなど、惜しくも準優勝。振り返ってどういった部分が足りなかったと思われますか?

 この3年生の年代がたまたまなんですけれども部員が少ないということやケガ人が多かったということもありました。部員も少ないこともあって、例年より突出した選手も少なかったので新チームになってからなかなかいい結果が出ていませんでした。

 県予選ではベスト4などに進出していましたけれども、満足できるような試合、プレーもできず、方向性は決まりつつも、なかなかそこに乗ってこれなかったという感じです。私が厳しく言うと「どうすればいいんだろう?」と考え込んでしまうような。そんな状態が夏休み明けの9月くらいまで続いていたんです。そこでもう「失敗してもいいからどんどんトライしよう」ということで初心に戻ってやっていった結果、選手たちも自信を持ち始め、10月に入ったくらいには、選手たちも方向性を理解して。

 ただ決勝戦に関しては前半こそ堂々とやれたんですけれども、後半攻められてくると気持ち的に守備的な状況になってしまって、そこから立て直すまでに至らなかったという感じですね。

 次回#3では選手、監督として出場した選手権の舞台や、印象に残っている選手などについての話を紹介する。