(写真=大宮アルディージャ)
――大宮アルディージャU18は毎年海外遠征を行っています。ユース年代の日本人選手と外国人選手ではどういったところに違いを感じますか?また、遠征の意義を教えてください。
大宮アルディージャでは毎年、高校1年生が6月頃にオランダ遠征に行き、デルタカップという国際大会に出場しています。日本人選手と外国人選手との違いを1つだけ上げるとしたら自分を表現する力でしょうか。1つ1つのプレーに対するこだわり、勝負にかける思いなどが違うのかなと思います。実際に私自身が2017年にデルタカップで指揮をとったときの話ですが、予選リーグのAZアルクマールとの試合には勝利しましたが、再び戦うことになった決勝戦では敗れました。彼らのここ一番にかけるときのプレー、情熱、勝負へのこだわりを表現する力は素晴らしかったと思います。ただ、日本人選手がすべてにおいて劣っているとは感じていません。
日本とは異なる環境や文化に身を置き、この年代で欧州遠征を経験することで、サッカーの世界基準を肌で感じることや、アウェイゲームの体験(移動、気候、環境、食事、時差、審判等)を通じて、自分自身の強さと弱さを知るこができ、新しい自分を作り出すきっかけにもなっています。また、異国の人々と交流し、文化や歴史、思考などを学ぶことで、幅広い教養と鋭敏な国際感覚を養い、新しい価値観を身に付けていくことなど、今後の彼らの成長には欠かせない経験となっています。
――チームのコンセプトは?今年のチームとしての目標を教えてください。
攻守においてイニシアチブを握る。組織的に戦い、個を最大限に生かし、スペースとボールをコントロールすることで試合の主導権を握りたいと思っています。ボールとスペースを支配して、全員が繋がり、連携、連動を意識した中でハードワークし、個々の持っている強みを生かしていきたいです。
今年のチームとしての目標は日本一のタイトルを獲ることです。今年のメンバーは昨年から試合に出場している選手も多くいますし、日々のトレーニングに対する姿勢や意欲も非常に高く、グループとしてもまとまりがあるので楽しみにしています。チームとしての結果も大事ですが、選手個人の成長や結果も大事です。トップチームへの昇格はもちろん、高校生年代でトップチームの試合に出場できるような選手も、今後は輩出していきたいと思っています。また、昨年はFIFA U-17ワールドカップブラジル2019の日本代表メンバーに村上陽介(現明治大)が選出され、大宮アルディージャU18所属選手として初めて、年代別のワールドカップに出場しました。継続してこの世代の日本代表選手の輩出もしていければと思っています。
――(新型コロナウィルスの影響を受けて)活動自粛中ですが、選手達の過ごし方や取り組みについてはどの様に指導されていますか?
チーム全体の取り組みとしては、フィジカルコーチやトレーナーがトレーニングメニューを作成して選手へ映像などを提供し、その中からメニューを各自が選んで、トレーニングを行っています。コーチによっては、選手が自立できるように週のスケジュール管理や目標のサポートをしたり、オンライントレーニングを行ったりしています。また、普段の生活では学校とサッカーの両立など、選手は忙しい毎日を過ごしており、試合の映像を90分間振り返る時間を確保するのは中々難しいのですが、今は時間に少し余裕がありますので、映像を振り返ったり、自分自身の強みや課題を再認識させたりもしています。各学年によって、今年度の置かれている状況が違うので、学年によっては選手へのサポートの仕方も多少変わってきます。臨機応変に対応し、できないことに嘆くよりも、できることを少しでも探して、選手をしっかりサポートしていきたいです。
(取材=編集部 写真=大宮アルディージャ提供)
▽大宮アルディージャ公式サイト・U18選手紹介ページ
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