岡山学芸館 高原良明監督(写真=森田将義)
黎明期のファジアーノ岡山でプレーした高原良明監督の下、全国大会での存在感を増しているのが岡山学芸館だ。初めての全国大会出場となった2012年のインターハイでベスト16まで進出し、昨年は2年連続3回目となる選手権出場を決め、プリンスリーグ中国でも初優勝を果たした。着実にチームとしての成長を続ける岡山学芸館が目指すサッカー、育成方針について高原監督に話を伺った。
ーー初めにチームが目指すスタイルを教えてください。
選手には、言葉として「縦に速いボールポゼッションがうちのテーマだよ」と伝えています。ボールを大事にしながら、シュートまで行ける場面ではシンプルに攻めますし、ダメならパスを繋いで相手を揺さぶり、組織的に相手の隙を突いていくというのをチームコンセプトとして掲げています。今年のチームに関してはボールを扱える選手が多いので、例年以上に簡単に失わないよう意識させつつ、状況を見てシンプルにゴールを目指すよう伝えています。ただ、未完成な部分が多く、ボールを持ちすぎる場面が見られるので、優先順位を的確に判断しながら相手の守備を突いていく部分をレベルアップして欲しいです。判断の部分は練習でも意識しているポイントで、ポゼッションしながらもゴールを忘れずに意識させることで判断が生まれます。パスだけの練習に留まらず、ボールを奪った直後のショートカウンターなど数的優位を作ってシンプルに攻めるメニューも取り入れています。
ーーチームが求める選手像はありますか?
理想は個で相手を剥がせる選手や明確な武器を持っているに来てもらえるのが理想ですが、デカくて速い選手やとても上手い選手はJのアカデミーに進みます。そうした相手に勝つには、グループで相手をどう崩していくかが大事になります。ボールを扱う技術がしっかりしているだけでなく、選手には「相手にタッチされる間合いではなく、触れられない間合いでボールを動かしていこう。相手に捕まる前に離しなさい」と状況判断についての話をよくします。ワンタッチなのか、ツータッチなのかの判断はそう簡単には身に付きません。シンプルな4対2や3対1のパス回しを繰り返し、相手と味方の状況を視る意識を高めていこうと考えています。そうしたスタイルを意識しているためか、うちの選手を見るとボール扱いに長けた中盤タイプの選手が多いです。大きい選手が少ないこともあり、本来、中盤の選手がDFラインに入ったりするのが特徴と言えるかもしれません。