全国高校サッカー選手権のトロフィー(写真=四日市中央工サッカー部提供)
休校期間を収穫に全国で闘うチームへ
今年は休校期間もあって3ヶ月近く全体練習ができませんでした。ただ、全体練習が再開すると結構選手たちは動けている。「なんでだろう」と考えると頭が新鮮だし、サッカーをしたい意欲がフレッシュだから。トレーニングもすんなり入れたし、タイム走の課題もすんなりクリアできた。そこで僕が思ったのは「ひょっとしたらこれまではトレーニングをさせ過ぎていたのかもしれない」なんです。
僕は昭和の考えでトレーニングは3日続けて休んだらダメだと思っていたけど、休校期間明けで身体も大きくなっている選手もいるし、頭もフレッシュになっている。3年間の中でサッカーから離れて違うこともしていく。そこでまた「サッカーがしたい」という気持ちになってもらうのも大事なのかな。ということも感じました。
今年は選手権から1週間で県新人戦。ここでは準決勝で負けて僕も悔しかったんですが、でもよく考えるとチームも選手も気持ちが切り替わっていない。無理やり切り替えただけですよね。休みを取ることも大事だと思いました。
もう1つプラスに考えられるのは今年から復帰した東海プリンスリーグで、当初プレミアリーグ所属だった名古屋グランパスとAグループで戦えて、しかも昇降格がないこと。昇降格がある場合は戦い方を変えなくてはいけない部分もあったんですが、今やろうとしていることにチャレンジしつつ、強度の高い相手と対戦できる。自分たちの立ち位置を知る上でも大きい。インターハイや夏の遠征がないことは選手権を見据える上でも痛いですが、プリンスリーグでしっかり闘いたいと思います。
四中工はここ10年の間に選手権で準優勝1回・ベスト4が1回。ベスト8が1回。と考えると僕らがバージョンアップし、その都度勉強していけば全国でも戦えないわけでないと思っています。公立校で入試して、普通に授業料と部費を払って、下宿する子どもたちは、それに加えてそれなりの費用もかかる。その中でも頑張っている選手たちのためにも、試験中にも練習や遠征を認めてくれる学校のバックアップや「四日市といえば四中工のサッカー」と言って応援してくれる市民の皆さんのためにも、僕らはいいサッカーと結果を残していきたいですね。
(文=寺下友徳)