浦和西サッカー部
――市原監督自身も同校のOBで日本大学を卒業後に母校に戻って来ました。長くチームを率いられている中で、2年前のインターハイ出場は一つ肩の荷が下りたのではないでしょうか。
ちょうどインターハイ出場をした年が就任10年目。結果を出したいと思っていて、その当時の3年生は1年生の頃から期待をしていたんです。
――そして、今年。3年生の石山凌太郎選手が来季からフランスリーグ2部のアジャクシオでプレーする運びになりました。彼について教えてください。
石山をどこで使うのがいいのかなと考えていました。今のうちのやり方では生きない可能性もあったので、FWにおいて頑張ってもらう形に落ち着きました。2トップの一角で守備もやってくれるし、足にボールを当ててくれる。ディフェンスが下手ではないけど、ただ頑張りが効かないんですよ。球際も強いし、自分のところに転がってくるんですけどね。勝利への欲求をもっと出して欲しいけど、そういうタイプではないから淡々とやるから誤解を生むこともある。だから、大学のサッカー関係者もあんまり評価をしなかったのかもしれない。自分は分かっているからいいけど、大学側から見ると、消えている時間が長いし、確かにボールを持てば面白いけどねとなってしまう。今後は色んな経験をして大人になって欲しい。彼の場合はこの先に繋げたし、自分でチャンスを引き寄せたので。
――石山君の存在はチームメイトにも良い影響を与えたと思います。また、久々に浦和西からプロが誕生したのでOBにとっても、これからやってくる中学生にとっても大きな意味がありますよね。
そうですね。でも、こっちが何か育てたわけではないんです。本当にサッカーセンスはあるので、正直何も言っていない。元々上手かったですし、能力はあったんです。僕は彼に特別なことは伝えていないし、みんなと同じように頑張れとかしか話していない。あとはオフザピッチで寝癖をつけて学校に来るなとか、服装や挨拶をしっかりしろよという当たり前のことしか言っていないんです。最近は勉強もするようになって成績も上がってきたので、本人なりに頑張っている姿勢が見えています。