過去の先輩たちと「岡田メソッド」が築いてくれた今治東の歴史
今治東では2年目の2013年度に選手権の愛媛県大会決勝戦まで進めました。ここで決勝戦に進めたのは前年に最終的には選手権準々決勝で松山工に0対3で負けたんですが、この時に個人個人で取り組んだことのレガシーが選手たちを成長させてくれた。その前に育成してくれたことも含めて土台はあったんです。
そこから地道に取り組んでくれたことが浸透し、自発的にやろうとする意識ができ、2017年に再び決勝戦でGK伊藤 元太(J1ヴィッセル神戸)がいた松山工に1対2で逆転負けした時を知っている今の2年生や3年生、特に2017年のえひめ国体を経験している3年生4人(DF大谷 一真<主将>、DF長井 李也、MF岡本 航汰、MF馬場 優汰)が中心になって紆余曲折はあったけど、インターハイ県決勝を終えた後「このままではいけない」「自発的にやらないといけない」となったことが、今年につながっていってくれました。
そして「岡田メソッド」。2015年に岡田 武史さん(元・日本代表監督、現:J3・FC今治オーナー)が来た後は、吉武(博文・元トップチーム監督、現:JFAアカデミー福島U-15監督)さんとも何度も話をしましたし、コーチも定期的に巡回して指導してくれる。さらに主力選手も夏休みにタイミングが合うとトップチーム練習に参加させてもらいました。選手権予選で彼らが落ち着きが出たのもその経験が大きいと思いますね。
岡田さんの考えていることと、自分が描いていることもすごく共感できる部分があるし、「岡田メソッド」はサッカーの細かいことをすごく整理してくれているんです。そしてこれは意外と知られていないんですけど、僕らの練習にはトップチームの若手選手もたびたび「グラウンドで練習したいんですけどいいですか?」と連絡してから練習したり、紅白戦に混ざってプレーしてくれるんです。だから、FC今治は子どもたちの目標になっているし、戻れる場所になっているんですよ。