磐田東は16大会ぶりに夏の全国へ(写真=多田哲平)

――24歳からサッカー選手と大学生の二足の草鞋に?

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 そうです。サッカーを一度辞めてホンダで働いていた時に、自分を見つめ直し、このままでいいのか、本当は何がしたいのかと、いろんなことを考えました。そのなかでプレーヤーをもう一度やりたいという想いと一緒に、指導者になりたい気持ちが湧いてきました。そして、どうせやるなら高校サッカーを教えたいなと。

 そしてPJMには、のちに四中工の監督になる樋口(士郎/現ヴィアティン三重トータルアドバイザー)さんがいたんです。樋口さんも佛教大学の通信制に通って指導者を目指していたので、彼の姿を見て、私も1年遅れで同じように通信制の大学に入って勉強とサッカーの両方をやった感じですね。

――高校サッカーを指導したいと志した理由はなんだったのでしょうか。

 かなり昔のことなので、はっきりとした記憶はないのですが、高校生って燃え尽き症候群みたいなところがあるので、それを少しでも変えられたらなと考えたんですよね。高校3年間で燃え尽きてしまうのはもったいないじゃないですか。私も一度サッカーの現場を離れたことで、改めてその楽しさを再確認できました。だから子どもたちにも高校で終わらずに、大学やその先もサッカーを続けてほしいと思ったわけです。プレーヤーとしてでなくても、例えば指導者として地域の子どもたちに教えるとか、レベル差はあってもサッカーと携われるような人材が増えてくれたらいいなと思ったんですよね。

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