静岡学園戦のPK戦ではGK岡村虹輝(2年)が活躍(写真=多田哲平)

――そうした強い意気込みを話した時の生徒たちの反応はいかがですか?

 【マッチレポート】令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選 決勝 磐田東 vs 藤枝明誠

 どうでしょう、選手によって様々ですね。でも選手たちも、やれば絶対にできるんだと思ってくれているはずですよ。あと付け加えて言うのは、負けたとしてもやるべきことをやって力を出し尽くしたなら、たぶん笑って帰ってこられるだろうということ。泣いて帰ってくるは、後悔しているから。ああしておけば良かったとか、あとからそんなことを考えていても時間は戻らない。だからこそ選手たちには、いつも全力で臨んでほしい。

――普段、選手のどういったところを見ていますか?

 私は社会科を教えている一般の教員でもあるので、学校生活での生徒の様子も見えます。そこが高校サッカーの指導者として面白いところですよね。

 そこでよく観察しているのは、生活のなかでの生徒の目つきです。学校生活で何か問題があって練習に集中できていないなと、そういうのは見ていて分かります。あとは個人を見るよりも、全体として見ることが多いですね。

――先ほどおっしゃっていた「個人のスキルをどう組織に落とし込むか」という点ですね。

 そのとおりです。個人の良いところ悪いところは、その子自身が分かっています。長所をいかにチームに作用させるかを私たちが見てあげる。あとは自分の短所を補う努力はそれぞれがするものです。

――今できているかというよりも、ここからどれだけ上手くなろうとしているか。

 そう。勝ちたいとか上手くなりたいとか、そういう欲を常に持てば、前向きに行動するはずですよね。

――その姿勢が目つきに表われると。

 態度とかね。ウォーミングアップを見ていれば、やる気があるかないかは大体分かります。

#4へ続く

(文・写真=多田哲平)