山田智章監督は全国大会へ向け意気込む(写真=多田哲平)

――予選では静岡学園や藤枝明誠を相手にも、臆せずボールをつなぎ攻める姿勢を見せ続けた。あれは相手を少なからず怯ませ、フラストレーションを溜めさせた要因だったと思います。

 【マッチレポート】令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選 決勝 磐田東 vs 藤枝明誠

 ボールを握られる時間が長いなかでも、奪ってからはしっかりつないでなんとかしようと、そういう意図が見えましたよね。そこは選手がよくチャレンジしてくれましたし、予選を通じて、本当にレベルアップした部分です。

――全国を勝ち抜くポイントは、まだありますか?

 もうひとつ、気にしたいのは試合時間ですね。35分ハーフの計70分と短いです。45分ハーフの90分でやっている県リーグとは違うので、そこは考えて臨まなければいけません。例えばノーマルポジションを変化させるとか、そういう工夫を加えながら戦いたい。

 都道府県のリーグやプレミア、プリンスも90分でのゲームが多いので、他の高校と条件的には変わらないんですけど、そこでどう優位に立つか。やはり過去の映像を見たり、出場した人に話を聞いたりすると、最初にプレスをかけて電光石火のごとく1点を取ったらグッと引いて守備固めするチームが多いとか、シンプルなミスから失点してしまうと致命傷になるとか。1点の重みが変わってくることをどう捉えて、選手たちに伝えていくか。プレッシャーにならないように伝えないといけません。

 もちろんピッチコンディションや暑さとか、そういう要素も考えないといけないので、複合的な視点を持つことが重要になる。コーチの伊藤(圭佑)などスタッフとも、その試合運びについては入念に話をしています。ただでさえ我々は全国大会の経験値が豊富なチームではない。一方で長崎総科大附や前橋育英は全国経験が豊富なので、そうしたディスアドバンテージをどう埋めるか。

――県予選での80分の試合で強豪を抑えたわけですから、そこは上手くできると信じています。期待しています。

 それを自信に頑張ります。

(文・写真=多田哲平)