明秀日立

――新型コロナウイルス感染拡大に伴う活動自粛、大会延期が相次いでいる昨今。今、チームとして取り組むべきこと、取り組んでいることがもしあれば教えてください。

 選手達にはこのような状況にあるからこそ、サッカー部の理念である「将来、豊かな人生を送るために、自らの発想で行動する人となる」ための学びの機会であると捉え、「自分自身にできることは何かを考え行動する」ことに目を向けてもらいたいと考えています。今後の練習の質や成果を外的要因(今回は新型コロナウイルスによるパンデミック)のせいにするような人にはなって欲しくありません。
 本校サッカー部は、3月1日に卒業式を実施した後、臨時休校という形をとっています。サッカー部だけでなく学校全体の生徒の諸活動も行わないということになり、寮に住んでいる生徒も全員自宅に帰省させました。そこからは自主練習期間となりました。
 ある程度のメニューは与えましたが、学校で利用しているインターネットツールを活用し、選手からサッカーノートの代わりに「体調」や「実施メニュー」の報告を受け、指導者も各選手に「メッセージ」を送ることで繋がりを持つことを大切にしました。
 茨城県は3月20日頃に知事の会見を受け県立高校の部活動は翌週から再開しましたが、私達は部活動再開に対して、社会の情勢や学校におけるサッカー部の役割などを考慮し、少し慎重な姿勢を取る事にしました。
 私達は「選手の力」を信じることでこの局面を乗り越えて行きたいと考えます。また、昨今、教育の現場で言われている「予測が難しい時代を生きる」ということを今回、選手達が身を持って経験することで、より社会と自分の関わりに目を向けてもらう機会にしてもらいたいと思います。

 サッカー部は学校指定の強化部に位置付けられているため,文武両道(不岐)のモデルチームになることや、校内外での活動の中心的存在になる役割を担っていると認識しています。
 本校は、2025年に創立100周年を迎えます。それまでに目標である「日本一」を達成し、強化の面で更なる成長を遂げて行きたいと思います。
 また、本校サッカー部の役割は、茨城県はもとより県北部地区及び日立市の活性化に寄与することです。そのためにサッカースクールや、スポーツフェスティバルの運営協力、ボランティア活動を通して、地域と繋がり、「顔が見える」「人と関わる」活動に取り組んでいきます。サッカーの社会的人気が上昇し、サッカーへの夢や希望を持つ子どもが多い現代に、次世代の期待に応えたいと考えます。
 幼少期からのサッカー環境の整備に貢献し、その中で育った選手達も活躍するチームで、「日本一」への挑戦を目指します。サッカー文化を県北部地区及び日立市に根付かせると共に、明るい話題を提供していきたいと考えています。

 明秀日立の「日本一」への挑戦は始まったばかり…。

(取材=編集部)