検見川イレブン

――「母校に戻って、サッカー部の監督を務める」というのは、指導者冥利につきるのでは?

 ありがたいですし、うれしいですね(笑)。いえば、今の選手は自分の後輩であり、学生コーチのときにかかわっていた選手も含め、ここ10年くらいの学年の選手をよく知っているわけです。試合になれば、高校時代に一緒に練習していた先輩や後輩、同期たちが応援にきてくれます。検見川を通じて出会った人たちとのつながりが深いです。保護者会の方々やOB、OGの皆さんも熱心に後押ししてくださるし、山本(直輝)コーチや南(昌弘)コーチをはじめ、周りのスタッフがいろいろな形でサポートしてくれますから、ありがたい環境のなかで、母校の監督をやらせてもらっているなと、日々、感謝しています。

――サッカー部の監督といえば、保健体育科の先生が多いかと思います。英語科の担当というのは珍しいのでは?

 僕自身、最初は体育の先生になろうかと思っていましたが、進路の話をしたとき、水庫先生から「必ずしも体育の先生でなくてもいいんじゃないか」といわれたのがひとつのきっかけですね。サッカーを通して海外にも興味がありましたし、高1の春休みにアメリカに短期留学したことも大きかったと思います。大学時代にはアイルランドに留学して、現地のスタジアムを見学したり、大学の構内でフラッと集まった人たちでフットサルやサッカーをやったりしました。こうした経験や交流を重ねていくうちに、英語とサッカーを教えるのが自分のなかのやりがいや価値観にマッチするなと感じました。

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