東急SレイエスFC U-18の阪本洋平監督(写真=荒井敬介)

――そして、目指すチーム作り。

 チーム作りにおいて、次の3点を特に重要視しています。
 1つ目は「基準作り」です。ピッチ内外においてのあらゆる基準です。特にピッチ内において、各局面やポジションで求められるプレーを明確に整理することを意識しています。それがチームプレーを円滑にし、選手個人の課題と取り組みを明確にし、双方を相乗効果の中で効率的に向上させるのに欠かせないからです。
 2つ目は「競争に頼らないこと」です。選手人数を環境に見合った最低限の人数にしていることもありますが、裏付けのある成長が理想であり、そう考えることが、選手が将来的にも様々な環境に適応し自分自身を成長させられるようになると思います。更には、我々自身の反省や成長にも繋がると捉えているからです。もちろん競争はありますし促しますが、期待の矛先がそれだけになったり、それを第一にしたりすることは無いです。
 3つ目は「最高の練習」です。月並みですが、これは先の2点の集約でもあります。これについては2年目の新たなチャレンジですが、U-18では関わるスタッフも多い中で最大限の効果を目指しています。具体的には、トレーニングする領域(個人やチーム)、基礎的なことなのかコンセプトに沿ったものなのかを年間で計画し、フェーズや戦術目標、適用する練習構造や身体負荷、認知面の負荷について週間で計画しています。練習前に当日関わるスタッフへ予めデータでその日の内容を共有しておき、直前に各コーチが主にどこに注目して選手へアプローチするかなどのリレーションを整理します。特に選手には伝えていませんが、コーチたちがコーチの仕事に注力している姿勢を見せると、選手たちは自然に選手がやるべきことに集中して最大限の強度でプレーしてくれるようになることを期待してそうしています。
 たかだか2年目の実績のないクラブチームですが、既に新2年生がそういった習慣を新1年生に肌で伝えてくれている感覚はあります。何もかもに戸惑いながら汗だくでプレーしている1年生を見ていると、2年生の1年前を見ているようで色んな期待をしてしまいます。

――新型コロナウイルスの感染拡大局面ですが、今後に対して願うこと。

 今はサッカーどころではない情勢でありますが、一日も早く、またフットボールが皆さんの生活の原動力になる日が来ることを望んでいます。

――チーム作りの”核"に差し迫るお話をありがとうございました。今後も東急SレイエスFC U-18に大注目!

(取材=編集部)