やっぱり選手って絶対にユースで結果を出して、大学で結果を出してプロになるじゃないですか?でも監督は違う。凄かった選手が監督になるのも別に悪くない。悪くはないけど、でも指導者として凄く結果をだしてプロになるっていうルートもあっていいと思う。この2つのルートがあった方が日本のサッカーが良くなると思っています。

 日本は凄かった選手がプロの監督になる。スペインも結構そうらしくて。でもドイツとかポルトガルとかは、例えばナーゲルスマンさんやクロップさんもそう。モウリーニョだって選手としては全然で。だから欧州でも二つの道があるんで、日本も二つのルートがあった方がいいと思うんですよね。

 だから町田って(選手として大成しなかった)その二人が監督とコーチをやっている。(内野さんが高校時代に初芝橋本でチームメイトだった)金明輝もプロにはなったけど、全然プロでは活躍できなかったし。彼の最初は(サガン)鳥栖のスクールコーチだったんです。そこからジュニアユースのコーチに上がって、ジュニアユースの監督になって、鳥栖のジュニアユースをもの凄く強くした。

 でも当時は土のグラウンドだし、トップトップの選手は東福岡、大津、アビスパに全部取られていて。それでも何とかしたいという時に「明輝さんがユースの監督になるならユースに上がりたい」という選手が出てきて、それで明輝がユースの監督になった。それで鳥栖ユースを日本一のユースチームにした。さらに彼は(暫定監督として)J2降格から2度チームを救って、満を持してトップの監督になった。でも始まりはスクールコーチなんですよ。こうやって這い上がっていったルートなんです。

 だから心の底から凄いなと思います。黒田さんだけじゃなく、金明輝と二人が。黒田さんも青森山田を一からあそこまで持っていった。僕も同じような経験があるので、その大変さは知っている。だからそういう二人が組んで今Jリーグで旋風を巻き起こしているので、純粋に死ぬほどうれしいです。熱く語りましたけど、これマジですからね。本当に嬉しいです。

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