圧倒的に選手権の方がコンテンツとしては上なので、ちょっとでもJユースがコンテンツとして魅力があるようにしていきたい。今回、奈良クラブとして初めてクラブユースの全国大会に出させてもらって、僕自身としても初めてで。興國で全国に出るのには15年かかりましたけど、奈良クラブでは4か月(笑)。でも出て思ったのは、高校の全国大会よりも圧倒的にクラブユースの方がサッカーの質は高いです。全然質が違う。
ただこれがプレミアで試合をすると勝った負けたとなるので面白い。ガンバユースの町中監督は同い歳で、中学の頃から大阪トレセンで一緒で友達なんですが、練習試合をした後に話をしていたら、クラブユースは優勝したけどプリンスは大変だと。「ちゃんと準備をしないと勝てない」と。
それが良い悪いではなくて、サッカーの質が高校とJクラブって全然違うんです。Jクラブはお互いの志しているプレーモデルのぶつかり合い。でもそこに高体連が入ってくると、高体連は相手の良さを消して勝つという事に特化しているから、だから簡単には勝てない。ある種Jクラブ同士の対戦の方がガンバも勝率が高い。それはクラブユースに出てみて凄く思いました。相手どうこうではなくて自分たち。ワーチャレとかエクロガ(神村学園、静岡学園、昌平、興國、奈良クラブユースなどが参加しているフェスティバル)に近い。あそこに出てるチームって相手を研究しない。静学が神村を研究したりしないじゃないですか。「俺たちのスタイルが相手のスタイルを上回るんだ」っていう戦いなんで。
あの集まりよりもクラブユースの選手の方が身体能力だったりが上です。だからクラブユースの方が質がワンランク上だと思います。だから絶対にコンテンツとしては面白いはずなんです。選手の質が高いんで。ただ、勝敗に対してのこだわりが選手権とかに比べると、感動を呼ぶというところで弱いんですよね。Jユースに勝つ気がないというのは一切ないんですけど、ああいう年末年始の時期に日本全国から集まって、各都道府県で放送されて。「国立という舞台を目指すんだ」っていうあの物語は凄いです。県の予選を勝ち抜いて。