ーー「主役になりたいか」と思う気持ちは強いですか?

「主役になる」ということについてだけど、僕にとってはまったく興味なかったことだ。僕が主役になったことがあったとしたら、それはチームメイトがチームのためにベストを尽くしてくれた結果で、それがうまく機能してゴールを決めることができたから、結果的に主役になれたってことさ。僕は主役になることを自分から求めることはないよ。むしろ、シーズンの最後にチームメイトたちと一緒に主役になれたらいい。トロフィーを掲げる時やヨーロッパの頂点に立った時、フランスで無敗のチームになった時、チームメイトそれぞれが「自分は重要な選手」って感じるんじゃないかな。

ーーカタールW杯南米予選についての思いは?

僕らの国はいつだってしぶといし、意欲と気合に溢れてる。そして、いつの予選もそんな感じだ。最後の最後まで苦しい戦いが続く。今の時点ではすべての国が(W杯出場の可能性を)夢見ている。みんなそれはわかっている。でも、僕たちは自分たちが何者でどんなチームかどんなグループなのか十分にわかっているし、大きな期待はあるよ。でも、道のりは長い。アウェーでの試合で勝つのは厳しいし、これは何もウルグアイだけの話じゃない。ブラジルだってアルゼンチンだってそうさ。この予選は非常にレベルが高くて厳しい戦いになる。どうなるか見てみようじゃないか。各試合でこの期待を胸にピッチに出るんだ。そして、自分たちが望むようになることを期待している。

ーーW杯南米予選でのブラジル戦については、どうでしょう。

この南米予選で“重要以上”の意味を持つライバルだね。過去に多くの歴史を刻んできだ相手だからね。ブラジルでセレステ(ウルグアイのユニフォーム)を着るなんて感動的だよね。 プロになってから一番美しい思い出だね。正直、プロ選手として一番嬉しいことは代表のユニフォームを着ることだよね。かつて、彼らはアルシデス(ギシャ)の姿を見て十字を切っていた。そのアルシデスももうこの世にいない。あの頃のメンバーはもう誰もいない。(※1950年のブラジルW杯、優勝をかけたマラカナンスタジアムでの一戦で、ウルグアイはギシャのゴールでブラジルを下し2度目のW杯制覇を成し遂げた)たぶん、僕らも今ではその歴史の一部になったと思う。ここ数年で僕らも歴史を作ることができたと思う。でも、50年、60年前にウルグアイ代表が達成したことを僕らがまた思い起こさせることは悪いことじゃないと思う。思い出すと鳥肌が立つような出来事だから。僕たちのような小さな国が世界で偉大な足跡を残したのだから。それは僕ら全員の誇りだ。だから、代表のユニフォームを着てピッチに出ていく時は、それがどこであろうといつだって全力で勝とうという意欲にあふれているし、プレーする時はいつでも足跡を残したいと思っている。

ーー偉大なDFでキャプテンのディオゴ・ゴディンやバルセロナで地位を確立している“ピストレイロ”ことルチョ(ルイス・スアレス)がいるウルグアイ代表は世界のサッカー界で偉大なチームだ。もう一度頂点に立たなくてはいけないと気持ちが強いのでは?

僕たちの代表にはビッグクラブに所属し、常に高いレベルで戦っている素晴らしい選手たちがいる。でも、いくら偉大なチームでもハードワークは不可欠だ。自分たちが何をしなければならないか理解している。エリートの頂点でプレーしているハイレベルの選手たちがいるのだから、僕たちにはこの先、素晴らしいチャンスが待っている。結果を出すためにベストの準備をするのは、まさに“職人の仕事”だよね。練習中はチームが一丸となり、より成長できるかどうかはすべてピッチの中の自分たち次第ということを理解しているんだ。それによって、もっと上までの上り詰めることができると思っているし、本当に素晴らしい結果が待っていると思う。

【記事提供元】メディアコネクト
(取材=クリスティアンGマーティン(BEスポーツメディア)/ 文=池田鉄平 / 写真=コネクト株式会社提供))