セパタクロー元日本代表で、現在は日本代表ヘッドコーチを務める寺島武志氏(写真=多田哲平)
セパタクロー元日本代表の寺島武志さんは1人になりながらも仲間を集めて阪神酒販で実業団チームを立ち上げるなど、セパタクローの発展のために活動してきた。どんな時も自らの力で環境を変えてきた寺島氏が目指す未来像は。そして自身の人生を基に送る高校生へのメッセージとは。【インタビュー第3回】
――寺島さんの人を巻き込む力があってこそではないですか。後輩を連れてこられたのは人望があるからですよね。
でも自分ではそんなに面倒見が良いほうだとは思っていないんですよ。結構後輩には厳しいタイプじゃないかなと。バイトしているくらいならうちで働きながらやろうよというくらいで、手厚いサポートができていたわけではありませんから恩着せがましく思っているわけではないです。それでも、ついてきてくれる選手が少なからずいるのは感謝していますけどね。
それにやっぱり自分のためであり、競技のためなんです。自分ひとりで動くより、大人数で動いたほうが圧倒的にスピーディに環境を整えられますから。
――環境面ではサッカーのようなメジャースポーツとは違う苦労がありますね。
そうですね。サッカーもサッカーで苦労していると思いますが、第一線の状況を比べるとやはり差は感じます。僕らが世界で結果を残してもあまり注目はされないですし、莫大なスポンサーがつくわけではありません。ほとんどのプレーヤーが仕事をしながらという状況。そういう環境に難しさは感じますけど、それでも僕が競技を始めた頃や日本にセパタクローが入ってきた頃から考えたら、だいぶ発展してきているので、そこに不満は持っていないです。結局、環境を変えたかったら自分が行動するしかないんです。