第1回日本フートボール優勝大会が開催された豊中グラウンド(写真提供=豊中市都市活力部スポーツ振興課)

  今回で記念すべき100回を迎える、全国高等学校サッカー選手権大会。その第1回大会(第1回日本フートボール優勝大会)が開催されたのは大阪府豊中市(当時大阪府豊能郡豊中村)に開設された「豊中グラウンド」だ。この第1回日本フートボール優勝大会にはどんなチームが参加したのか? また第1回大会が開催された豊中市が現在でもスポーツとのかかわりが深いことについて、第100回全国高等学校サッカー選手権大会の記念事業も実施している豊中市の都市活力部スポーツ振興課・上原忠氏に話をうかがった。

ーーーー第1回日本フートボール優勝大会にはどういったチームが参加したのでしょうか?

 当初参加予定だった慶應義塾(東京)が棄権したため、参加したのは京都師範(京都)、明星商業(大阪)、堺中(大阪)、関学高等(兵庫)、御影師範(兵庫)、神戸一中(兵庫)、姫路師範(兵庫)、奈良師範(奈良)という関西の8チームでした。決勝では御影師範が明星商業を1-0で下し、初代王者に輝いています。

ーー100回大会を記念して、豊中市内各地でイベントが開催されたようですね?

 当初は豊中市のホールで、100回大会を迎えるにあたっての第1回大会の歴史を振り返る企画展示や、サッカーの元日本代表の選手や現役Jリーガーの方などの講演会やトークショーなどを開催する予定だったのですが、新型コロナ感染拡大防止を鑑み、集客性のあるイベントは難しいと判断し、100回大会の記念事業として高校サッカー発祥の地である豊中グラウンドを紹介する「高校サッカー発祥の地物語」、サッカー元日本代表の前園真聖氏とタレントの山田雅人氏による対談「前園真聖サッカー物語」、山田雅人さんが独自の視点で語る「豊中グラウンド物語」という3つの動画を配信することにしました。

 その他にも、阪急電鉄豊中駅に豊中市の展示スペース「市民情報サロン」というものがあるんですけれども、そちらでその動画をエンドレスで流したり、さまざまな物を展示しています。また豊中市のサッカーグラウンドに作成した横断幕を掲げたり、阪急電鉄さんのご協力で「高校サッカー発祥の地・豊中」をしらしめるポスターを掲示したりということなども展開しています。

 また、大阪トヨペットさん主催のキッズのためのサッカークリニックやeスポーツ(サッカー)体験、ガンバ大阪さんに協力いただいた形で、こどものためのサッカー教室を開いたり、少年期に豊中市にある菰江公園でサッカーの練習をしていた現役Jリーガーの方によるこどもサッカー教室といったイベントも開催させていただいています。

「豊中グラウンド」についていろいろと語ってくれた豊中市都市活力部スポーツ振興課・上原忠氏(写真提供=豊中市都市活力部スポーツ振興課)

ーー動画では元日本代表の前園真聖さんを起用されていましたが、何か豊中市とつながりがあるのでしょうか?

 じつは2年ほど前に、オリンピックを盛り上げていこうということで豊中市で「スポーツフェスタ」を開催しました。サッカー、バレーボール、ラグビー、車椅子バスケットの4種目で日本代表の方に子どもたちに向けたスポーツ教室を開いたんです。そこで前園真聖選手にサッカーをご指導いただいたことがあったんです。そこで前園選手から「今後もサッカーを盛り上げていきますので」というお話もいただきまして、今回も動画にご出演いただいたという形です。

ーー豊中市は本当にスポーツとのかかわりが深く、まさに“スポーツ発祥の地”にふさわしい街ですよね?

 そうですね。野球、サッカー、ラグビーの記念すべき第1回大会はすべて豊中グラウンドで開催されました。また、日本初の陸上選手権(日本オリムピック大会)のほか、バレーボールやバスケットボールの初の公式戦なども開催されましたので、豊中市は“高校スポーツ発祥の地”、“アマチュアスポーツ発祥の地”ということを広くアピールしたいと考えています。

 3年前は全国高等学校野球選手権大会が第100回を迎え、昨年は全国高等学校ラグビーフットボール大会が第100回を迎えました。「高校野球発祥の地」「高校ラグビー発祥の地」、そして「高校サッカー発祥の地」ということを、全国高等学校サッカー選手権大会の記念すべき100回大会を迎える今年度に、全国の多くの方に発信できたらと思い、さまざまな事業を展開させていただいております。そしてこれからも200回大会に向け、今回の記念事業のようなことも含め、いろいろな取り組みをしていけたらと考えています。

▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権