桐蔭学園イレブン

――その二次予選では結果を見ると1点差、PK戦、延長戦と接戦が多いですね。

 そうですね。今年は本命があるようでない大会でしたので。ただ、接戦の中で「もしかしたら」という感じもありながら、準決勝までを見るとシードの上位が結果的に勝っているところに落ち着いていますね。

――準決勝まで進んだのは桐蔭学園と桐光学園の他に横浜創英と日大藤沢でした。

 この時点でシード上位4校が残ったわけです。その中で日大藤沢は主力選手のケガに苦しんだ印象ですし、横浜創英は正直例年に比べればややチーム力が落ちる印象でしたが、そこを勝ち抜いてきた両校については経験値が上がった印象があります。

 

――そこを踏まえての「桐蔭学園vs桐光学園」ですが、決勝戦の見どころについて教えてください。

 桐光学園はインターハイで一昨年、全国準優勝。昨年は全国初制覇を果たした積み上げの中で「守備の堅さ・相手にスキを与えない」しっかりしたディフェンスから入っていく。そこから相手のスキを見たカウンターアタックやリ・スタートで得点を奪う形にこの数年、変わってきています、 一方の桐蔭学園がテンポよくボールをつないでいるスタイルなので、試合展開としては桐光学園のブロックを桐蔭学園のパスワークがいかに崩していけるかがポイントになると思います。

神奈川県代表・選手権全国初制覇への夢。そして「開催地」としての決意

――その両校のいずれかが東福岡と激突します。神奈川県サッカー協会2種委員長として改めて「神奈川県代表」へ選手権に向けての期待を聞かせてください。

 神奈川県代表はこの数年、日本一を獲得する機会が増えてきた(2011年・桐蔭学園<神奈川県勢初制覇>、2012年・三浦学苑、2019年・桐光学園)んですが、選手権になると首都圏開催にもかかわらず、今ひとつの成績。ぜひ今回はそこを打破してほしいです。

 そして2020年はいろいろな想いを持ちながらサッカーをしてきた子どもたちが、ピッチを目指しながら、試合を延期する方向性を立てても最終的に関東大会・インターハイは中止。選手権も試合日程がずれ込み、受験等の事情で何も戦えず公式戦のピッチにすら立てないまま引退していった選手たちもいます。そういった想いも背負っていいゲームをしてほしいですし、両校も様々な人たちの想いを持って闘うことを意識してくれていると思っています。皆さんにご協力頂きながらここまで大会を進めてきたので、最高のパフォーマンスをまずは神奈川県大会の決勝戦で見せてほしいと思います。

【次のページ】 これからの準備