クラブハウスの用具庫でも実習が行われる予定(写真=多田哲平)

――特に「ホペイロ」という言葉は日本でも最近になって使われるようになりましたが、まだまだ知られていないですよね。

大迫 一般の人は知らないですよ。私はもともとサッカーとはまったく違う業界で働いていたので、当然ながら初めはホペイロなんて言葉は知らなかったんです。おそらく、この業界に携わっていなければ知らないと思います。「ホペイロの授業って何?」と聞かれた時に「用具係だよ」と説明すると、「用具係が授業になるの」なんてことも言われますよ。

武藤 職業として成り立っていると認知されていないんでしょうね。今は、ほとんどのJクラブに存在するじゃないですか。だけど、サッカーファンの中でそれが知られるようになったのはここ数年のことで、一般的にはほとんど知られていない。学生もスポーツメーカーに就職する選択肢は浮かんでも、ホペイロという職業をそもそも知らないから選択肢として挙がってこないんです。でも、この学園でしっかりとした知識と技術を身につけた人材を送り出せれば、フットボール界全体のマネージャーとホペイロの認知度やレベルの向上につながると考えています。

――では「マネージャー/ホペイロ学科」の取り組みについて教えてください。

武藤 定員は25名で、その一人ひとりにやはり実践の場を多く提供します。マネージャーとホペイロになるために特別な資格は必要ありませんが、選手や監督をサポートする役割なので、要領よく、機転が利くプロフェッショナルを育てたい。特にホペイロはスパイクを扱う、ある意味専門職でもあります。選手の要望に応じてポイントを少し削ったりとか、そういった職人としての技術が求められますし、経験と技術がモノを言います。ですから十分な技術を身につけるために現場実習はとにかく重要です。栃木シティにいるマネージャーやホペイロもそうですし、実際にクラブハウスにはスパイクが置いてある用具庫があるので、そうした実地での活動も行います。チームサポートというところでは、「プロフットボール学科」で編成するチームや、栃木シティのトップチームやU-25チームに帯同しながら実習をしてもらいます。

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