COEDO KAWAGOE F.Cの大島龍斗選手(写真=クラブ提供)

――下部組織を整備することはトップチームにそのまま影響していきますよね。

 はい。また、ワンエフシー出身の選手に川越でプレーする機会を作る一方で、我々としてはホームタウン活動などで接するお子さんたちにワンエフシーを紹介するとか、そういった形でも連携を取っています。例えば、明治安田生命さんと共同でサッカー教室を開催する中で、ワンエフシーのコーチにもきていただき、指導のサポートをいただいたりしています。結果として、サッカー教室からワンエフシーのサッカースクールに入団した生徒さんもいらっしゃいました。

――広報的な役割を担っているのですか。

 はい、弊社としては事業面、特に広報面でのサポートを行なっています。ワンエフシーのコーチ陣は指導のプロフェッショナルなので現場のことはお任せしつつ、我々が広報面や集客をサポートしています。川越駅にはCOEDO KAWAGOE F.Cのボードを展示いただいておりますが、その中にもワンエフシーの紹介がされていますし、川越祭などの町ぐるみのイベントではサッカースクールのチラシを配っています。

――Jリーグ加盟には直系のアカデミーが必須ですが、そことの関係性はどう考えていますか?

 それはこれからの課題ですね。ワンエフシーにはU-12、U-15(女子はU-18も存在)チームがあるので、現在のJ3規定ではU-15チーム(orU-18)とサッカースクールをCOEDO直系で持てばJ3の加盟条件としては足ります。ただJ2以上にいくには、さらに直系のU-15かU-12チームのいずれかが必要になってきます。2030年のJリーグ加盟に向けて、1FCとCOEDO KAWAGOE F.Cがこれから共に活動していく中で、少しずつ議論していく形で何がベストかを模索していきます。

――COEDO KAWAGOE F.Cと1FC川越水上公園の両チームは、クラブ名についても不思議な縁を感じる部分があるとか。

 そうなんです。「COEDO KAWAGOE F.C」は「F」と「C」の間に「.(ドット)」を入れています。普通はつけないか、「F.C.」という形で2つ入ると思いますが、ここにオンリーワンでありたいという想いを込めて「.(ドット)」を1つ入れているんです。一方で「1FC川越水上公園」の「FC」の前に「1」が入っているのもオンリーワンという想いが込められています。たまたまですが、同じ想いをクラブ名に込めていたんですよ。

――ワンエフシーについてだけでなく、埼玉全体の育成について考えていることはありますか?

 まず川越だけでなく、埼玉という土地から良い選手をどんどん生み出したいというのは前提としてあります。また、COEDO KAWAGOE F.Cは多くの企業様とも繋がりがあるため、サッカーだけでなく、僕らにしかできない取り組みとして、社会経験を通じて子どもたちの将来につながる社会学習の機会を提供していけたらと考えています。そういう理念もあって現在は「COEDO SPORTS COLLEGE」というスポーツビジネススクールを開催しているんです。

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