校舎は統廃合で使われなくなった小学校を再利用(写真=多田哲平)
――ビジネスと言っても、広報やアナリストなど様々ありますが、初めから何かに特化して学ぶのでしょうか。
武藤 いえ、1年次には幅広く知識を学んでいただきます。まずは、いろんな仕事を経験してもらい、スポーツビジネスにおける基礎知識を身につけます。そして、例えば「アナリストを目指したいな」と路線が固まったのであれば、2年生の時からそこを重点的に学び、突き進んでもらえればいいと考えています。やはり広報をやるにしても、アナリストをやるにしても、パソコンを扱えなければいけないし、コミュニケーションスキルも必須。最近では動画編集の技術も求められます。ですから、どの道に進んでも役立つ技術を、まずは掴んでもらう。選択肢は多いほうがいいですから。
大迫 何かのスペシャリストになるには2年間では難しいものがありますが、その基礎やきっかけを学べるような学科にしたいと考えています。現時点ではまずクラブ運営の基礎を学べ、その基礎をベースとした実践ができる。そういう学科を予定しています。
――おふたりもまさにフットボールビジネス界に身を置いています。この業界で働くうえで大事なことは何だと考えていますか?
武藤 私は長くサッカー界で仕事をさせていただいていますが、やはりまずは好きな気持ちや情熱が大前提にあると思っています。もちろん、どの仕事もそうですが、やっぱり嫌いなことって続きません。好きな気持ちとか情熱という土台の上にいろんな役割やスキルがあるわけです。フットボールビジネスは特別なものだと思われがちですけど、実はそうではなくて、当たり前のことが当たり前にできないと良い仕事はできません。よく「好きを仕事に」と言いますけど、世の中にはそれができている人のほうが少ない。好きなものに仕事として関われているという方は、意外と少ないんですよね。
――では、情熱は前提として、どんなスキルを持っていたら、フットボールビジネス界で活躍できますか?
大迫 一概にフットボールビジネスと言っても様々です。興行を成功させるためにどう広告を打って宣伝するのか、チケットをどう販売するか、お客さんの導線は?タイムスケジュールは?サポーターになってもらうためにどうしたら良いのか?グッズの企画販売、スポンサー営業など多岐に渡ります。つまり専門的なスキルは当然ありますが、まずは幅広い知識や経験をつけるのが必須だということなんです。まして今のサッカービジネス界は人手が足りない状況で、あれもやったりこれもやったり、運営をやりながら広報もやるような、そういう業界ですから。
武藤 大きいクラブであれば専任がいますけど、規模の小さいクラブではやはり兼任が当たり前ですね。
大迫 そう。だからこそ幅広い知識とスキルが求められるんです。そうしたマルチな人材となって、そのなかで得意な仕事を見つけてほしいなと。
第3回に続く。第3回では、マネージャーとホペイロという仕事について掘り下げ、3つの学科のうち「マネージャー/ホペイロ学科」の取り組みを説明してもらう。
(文・写真=多田哲平)
「CITY FOOTBALL ACADEMY」のオープンキャンパスや個別説明会は随時開催中
オープンキャンパスの日程は以下のとおり
【日程】
■2022年
11月19日(土)
12月10日(土)
12月11日(日)
※時間は各日とも13時〜14時30分
■2023年
1月21日(土)
1月22日(日)
2月25日(土)
2月26日(日)
※時間は各日とも13時〜14時30分
【場所】
栃木シティフットボールクラブのホームスタジアムである「CITY FOOTBALL STATION」
住所:栃木県栃木市岩舟町三谷1038-1
※スタジアムで学校概要などの説明、その後に校舎や練習場の見学も行う予定