――大会の付加価値をつけることが、代田さんが最も大事にしていることなのでしょうか。
もちろん付加価値も大事なのですが、なにより意識しているのは大会自体のクオリティを上げること。掲げているのは「練習試合以上、公式戦未満」です。公式戦とまではいかないにしても、いつもの練習試合にはない、より真剣な雰囲気を作り出したいんです。交流戦の形を取るイベントも企画していますが、真剣勝負を演出できるように極力大会形式にしています。
――雰囲気作りのためには具体的にどういったことをしていますか?
ひとつは審判の手配です。フェスティバルとなると、互いのチームから前後半で審判の担当者を出す「相互審判」の形が取られることも多いですが、我々は協会に依頼して正式な審判の方を呼んでいます。公式戦ではチームスタッフはベンチにいるものですから、選手だけでなく、スタッフにも寄り添って、なるべく選手に向き合える環境を整えてあげたいなと。
あと細かいところで言えば、椅子やテントは大会に見合った最大限の数を提供しようと考えています。地元の方々にも協力をいただきながらですが、よりクオリティの高いものを作り上げようと色々試行錯誤をしています。
――大会のクオリティを上げると言っても、色々な策がありますし、正解はありませんね。
本当にそうで、目に見えないものをいかに形にするかだと思っています。想像を膨らませて、どうしたら参加してくれた人を喜ばせられるかを考えています。大会のクオリティの良し悪しとは、結局は来てくれたチームに満足してもらえたか、つまり『お客様満足度』だと考えています。ですから選手ファーストの精神を忘れず、『こんな大会ならまた来たい』と思ってもらえるように日々アップデートしていく必要があります。
――付加価値も大事ですが、結局はどれだけ真剣勝負の場を提供できるかが直接、参加チームの「満足度」につながると。
おっしゃるとおりです。普段の練習試合では、どうしてもテストの要素が大きいと思います。ただ僕らは勝負にこだわるというところにもフォーカスしてもらいたい。それがすべてではないですけど、フェスティバルというのは、その両取りが実現できる貴重な場であるんじゃないかと。
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