西宮SSジュニアユース出身で新チームのキャプテンを任されたMF宇田光史朗(興國)
ーーマリノスにも練習参加したり、エリートリーグで試合に出たりしましたが、そこでよかったことは?
サッカーも似ているんですけど、マリノスはJ1だし見ているだけではわからなかったんですが、入ってみて強度が高校生とは全く違くて。プロ入りした先輩方からも聞いてはいましたけど、想像以上でした。良さを出せた部分もありましたけど何も出来なくて、"これじゃダメだ"と思いました。
周りからもプロに行くとか言われたり、そうやって呼んでもらえたりしていたので、自分でも勘違いというか、そういう風に思っていたんですけど、"これじゃプロに絶対なれない"という現実をみさせられました。参加して学べたことはめちゃくちゃ大きかったですけど、正直"厳しいな"という気持ちも大きかったです。
ーーよくプロの練習参加にいった選手が「プレースピードが全然違う」と言いますが、そこはどうでしたか?
3タッチしたらもう潰されます。気付いたら"バチン"と来られている感じで、本当に1タッチ2タッチの世界で、その中でバックパスだけになっていたらダメだし。そうですね、プレースピードが全てだと思いました。
ーー去年プレーを見ていたら飄々とボールを取られずに捌いていたり、持ち運んでいたイメージがありますが、そういうところでも"その感覚でいたらまずいな"と思ったりしましたか?
そうですね。やっぱりもう背中に相手を背負っていたら、来られる強度が高校生とは違うので、フィジカルで負けてバランスを崩して取られたりするので、あの感覚でやってしまうと、やっぱりプロでは通用しないので、そこは行ってみてわかったので良かったなと思います。
ーーそこの差を埋めていくにはどういう努力が必要だと感じていますか?
行ってみてフィジカルとアジリティのところが足りていないなとめちゃくちゃ感じたので、今もそこはやっていますし、これからもそこを努力して上げていって、あと自分は飄々とプレーすることは出来るんですが、決定的なパスが出来なくて。そこを出来るように紅白戦でもチャレンジしていて、そこの質を上げていくためにどんどん練習していきたいと思っています。
ーー今年は全体のキャプテンを任されましたが、キャプテンとしてと、チームとしての目標を教えてください。
チームとしては、自分が入ってから最強世代と言われていた樺山くんの代の時が1年生だったので、選手権でベスト8で負けて。去年自分もベスト8で負ける経験をしたので、"大事なところで勝てない"ってところを経験してきたので、大事なところで勝てるようになるために、新チームになった時からずっと言ってるのは"細部にこだわる"と意識して自分から言っていて、やっぱり細部のところで勝ち負けが決まると思っているので、ピッチ内でもピッチ外でも細部にこだわって強い集団というか、誰が見ても"流石だな"と思われるチームになっていきたいです。
個人としてはキャプテンとしての自覚を持ってお手本とならないといけないと思いますし、ダメなことはダメという事が必要かなと。嫌われる勇気というか、それは監督からも言われているんですが、"言うところは言う"というようにならないといけないと思うので、そこは個人として、キャプテンとして目指していきたいと思っています。
ーー向井くんから背番号8を受け継ぎましたがきっかけはありましたか?
僕は去年から4番をつけさせてもらっていて、興國の4番はボランチで特別な番号なんですけど、"4番でこのままいくのかな?"と思っていたんですけど、僕ではない候補が出ていた中で、監督と颯くんが話をしていて、急に僕になるかもとなって。それで"8なんや"と思ったんですが、そこからは4番キャラじゃ上に上がっていけないというのもあって、さっきの決定的なパスの話もそうですし、「8番キャラになっていく事が大事」と言われて、そこからは"8番でいこう!"という覚悟が出来て、今はもう8番でプロになろうという思いです。
(文・写真=会田健司)