インタビューに応じてくれた代田洸輔氏

――ではサッカーが好きで、初めからサッカーに関わる仕事に就こうと?

 いえ、大学を卒業してからは1年間九州産業大でコーチをやりながら、一般企業に就職しようかなと考えていたんですよね。ただ当時の監督にサッカーショップKAMOに紹介してもらって。それが社会人としてサッカーに関わった始まりでしたね。その時は、特に何も考えずに軽い気持ちで飛び込んだという感じでした。

――それから縁あって九州でサッカーイベントを開くことになったわけですね。いちから企画・運営するのは大変だったのではないですか?

 当初は右も左も分かりませんでしたから、参加していただいたチームには大きな迷惑をかけてしまったかもしれません。それでも最初の大会から16チームに集まっていただいて、本当にありがたかったです。

 この業界に身を置いて今年で9年目を迎えますが、今でも来ていただくことは当たり前ではないと思っていますし、感謝の気持ちはすごくあります。時間と費用を使って来ていただいているので、それに対する価値を提供できるように、いつも試行錯誤の連続です。

――チームを集めるのは簡単ではなさそうです。

 確かに大変ではありますね。去年来てくれたチームがまた今年も参加してくれる保証はまったくありませんし、全国に数ある大会の中からうちを選んで来ていただけるのは本当に感謝しかありません。

 サッカーイベントは水物でして、強豪校の勢力図はすぐに変わりますし、しかもコロナ禍によっても大きく変わってしまいました。ですから、そういう社会情勢など様々なものにアンテナを張りながら参加チームを募っています。

――募集をかける時は、学校やクラブチームに片っ端から連絡を取ったり?

 いえ、無暗にお誘いすることはしません。その大会の目的に沿ったチームや、同じくらいの強度のチーム、またマインドが似ているチームなどにお声がけしていきます。やっぱり大会ごとのテーマを設定するのは大事ですから。

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