現役時代は日本代表として数々の国際大会に出場(写真=高須力Tsutomu Takasu)

――サッカーはなぜ辞めてしまったのですか?

 実は高校時代にも一度サッカーから離れているんです。順を追って話すと、小3から始め、最初は地元足立区のチームに加入しました。自分で言うのもなんですけど地元ではまあまあ上手いほうでした。小5になって、三菱養和のスクールから選抜チームに入って、ジュニアユースに昇格して中3では高円宮杯(JFA 全日本U-15サッカー選手権大会)で全国優勝もしました。ただ中2の頃から次第に試合に出られなかったのもあり、、ユースには上がりましたが色々と重なって辞めてしまったんです。

 それでも大学でもう一度サッカーをやりたいと思って、日体大(日本体育大学)に入学してからサッカー部に入りました。ただ当時の日体大サッカー部は入部制限を設けていなかったので、推薦組だけでなく一般組を合わせて350人の部員がいる大所帯。そんななかで一度サッカーから離れていた僕はほぼ一番下からのスタートでした。三菱養和という名門クラブでやっていた自分にとっては、その当時与えられた環境をギャップに感じてしまった。今振り返ると、良くない考え方でしたが、そういう気持ちでやっていたので結局続かなかったんですよね。そんな時に出合ったのがセパタクローでした。

――そんな経緯があったのですね。セパタクローを初めて見た時に、どういったところに衝撃を受けたのですか。

 セパタクローのアタックは、サッカーでいうオーバーヘッドキックのようなものです。サッカーでこの技を見ることは珍しいですが、セパタクローでは当たり前のように繰り出されます。しかも体勢を崩すこともなく、しっかりと着地するんです。その光景を目の当たりにして驚かされましたね。

――セパタクローは一つひとつのプレーがすごく派手ですよね。アタックの際はどのくらいの高さまで飛ぶものなんですか。

 平均的には代表クラスの選手でだいたい2メートル60センチくらいですね。海外のレベルの高い選手は3メートルに届く人もいますね。

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