「世界で通用するための」7つの原則
ーー前編では「ファーストタッチ」について主に話して頂きましたが、その上で上野山GMが高校年代の選手たちに必要なことは、どんなことだと考えますか?
まずは「サッカーを知る」(1つ1つのプレーに対しサッカー言語を話して具体的にシンプルに話せる)ことです。その中で映像で確認して優先順位の選択をしていく。その次にプレーに移っていけばいいと思っています。まずは考え方を決める。そうするとまずゴールを見ることや、俯瞰した見方もできるようになってくると思います。
同時に指導者側は選手から状況がどのように見えているかを聴いて、「じゃあ、こういう方にしたら、あなたのプレーとどちらが良いか」と選手の目線から話を合わせてアドバイスする必要があります。
だからこそ「考える習慣をつける」ことを選手に求めたいですし、指導者もそれが正しければ受け入れる指導をしてほしい。それが個人の育成につながると思います。
ですから僕は考える習慣をつけるために、よく質問や発問をするんです。選手からの答えに対して否定せずにコミュニケーションをとる。ただし選手が持っているストーリーは否定しない。その上で自分のストーリーを伝える上でこう話します。
「君のストーリー(プレー)だと10秒でゴールできる。そのプレーも大事。でも、僕のストーリーだとこういうファーストタッチをして5秒でゴールをできる。どちらが良い?」となれば選手たちも今までの考え方に新たな考え方を、いい状況でのプレーを加えてくれます。だって「お前、これじゃ違うんだよ!」と言ったら選手ってやる気をなくすじゃないですか(苦笑)。こういった否定をしないコミュニケーションを続けていけば選手と指導者は信頼しあう関係になれると思いますね。