――ちなみに来年発足する南葛U-18チームでは、そういった個性を大事にするという指導方針を掲げるそうですね。関口選手はアカデミーに直接関わるわけではありませんが、どんな人材が育ってほしいですか。

 南葛SCが大事にしている「止めて・蹴る」「ボールを大切にする」というコンセプトのなかで、技術がしっかりしていて、さらに個性を出せるような選手が出てきてほしいですよね。芳賀(敦)監督も選手にある程度自由を与えると思いますし、とにかく自分の特長をどんどん伸ばしていってほしいなと。

――最後に、これだけ訊かせてください。関口選手と言えば、長年プレーしたベガルタではクラブの顔として愛され、セレッソでは長くいたわけではないですがチームにすぐに溶け込んで人気を得ていました。そして南葛SCでも多くの個人パートナーに支援されています。愛される選手、応援される選手になるためには、何か秘訣があるのでしょうか?

 なんでしょうね。セレッソの時はタイミングもあったと思いますよ。降格した時に加入して、J1に上がった翌年にはタイトルを獲れた。その流れもあってセレッソのサポーターには信頼を置いてもらえたのかなと。そして今、個人パートナー様に応援してもらえるというのは、年齢に関係なく最後まで諦めず走り切る姿を見てもらえているのかなと。

――意図的にやっているところもあるのでしょうか。

 いえ、そういうわけではないです。ただ負けたくないという想いがそういう姿勢に出ているだけ。やっぱりJでやってきたプライドはあって、社会人の相手に舐められたくないという想いもある。「なんで関口、このレベルにいるんだよ」って思われたい。もちろん相手が社会人だからというわけではなく、誰にも絶対に負けたくない。一つひとつの球際で違いを出せなければ自分の価値はないと思うので、そこで相手より上回ってやろうと。そういうプレーが、結果的にいろんな方の心を動かせていたらすごく嬉しいですね。

(文=多田哲平)