――最近ではアメリカの大学から、監督がはるばる日本に来てトライアウトの視察をするほど日本人留学生の評価が上がっていると聞きましたが?

 そうなんです。ここ1~2年でさらに評価が上がってきているんです。以前は日本人を売り込んでも、テクニックのあるヨーロッパや南米、身体能力の高いアフリカの選手が取れなかった時の保険的な位置付けでしかなかったんですけれども、今のマーケットでは、彼らと並ぶような評価を得るようになってきました。

 時事的なことを言うと、カタールW杯における日本代表の活躍はかなり影響していると思います。それに加えて、アメリカにいった人たちがすごく結果を出してきているので、トップレベルの実力を備える大学からも注目されるようになってきましたし、実際にそういう大学も日本人の獲得に積極的になっているんです。

 僕らは数年前から「日本のサッカーを実際に見にきてほしい」ということで、トライアウトを実施しているんです。「留学に興味を持っている子たちが増えてきているから日本に来てくれ」と呼んでいたんですけれども、なかなか強豪校の監督は来てくれませんでした。来てくれていたのはそれほど強豪ではない大学の監督で、しかも費用はこちら持ち。ところが最近ではアメリカの大学の監督から「費用は自分たちが持つからぜひ行きたい」と。

先日行われたトライアウトの模様。日本人選手のプレーをチェックするアメリカの大学の監督やコーチなどスタッフの眼差しも熱い

 今年に至っては、日本の高校サッカー環境に驚いて選手権を見に行きたいという監督もいました。海外では日本のような高校サッカー文化って無くて、上手い子は強いクラブのユースにいる。でも僕らがサポートしている日本人選手には高体連出身も多いので、「高校の部活なのになんでこんなに上手い選手が多いんだ?」って不思議がっていて。そういう監督があまりにも多いので、視察団ができて、選手権の準決勝と決勝を観戦しました。

 ちょうど関東でのトライアウトを1月7日に行なったので、タイミング的にもバッチリだったんです。ちなみにトライアウトは関西でも開催予定で、3月20日(月)に兵庫県の芦屋市内で行なう予定になっています。このトライアウトでアメリカの大学の監督に目に留まった子たちも含め、サポートしている日本人留学生の子たちが頑張って結果を出してくれているおかげで、日本人選手全体の評価がグーンと上がってきているんです。

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